古伊万里の時代区分では元禄様式に入るもので、いわゆる墨弾きの技法が用いられている。
墨弾き技法とは生地に白い線を残して描く方法。
まず、生地に墨と珪石などの粉末を混ぜた物で文様を描き、顔料の呉須で塗りつぶした後、素焼きをすると墨の部分が焼成して青地に白い線だけが文様として残る。
この技法が染色技法の筒描きからヒントを得た事は想像に難くない。


この皿は『蕎麦の細道』の表紙の窓絵に一時使っていたもので、古伊万里・染付・七宝丸文四寸皿
(1690〜1700年代)で柴田コレクション・パート2のNo-381掲載品と同品。
裏の銘は俗に言うところの金銘になっている。
大きく欠けている処を樹脂パテにて補修後、金直しが施されているが、余白の美が巧く表現された皿で、例え傷があっても私好みの一品。


七宝とは、両端の尖った長楕円形を四つ繋ぎ合わせて円形を作った文様の事を指し、普通は連続文として用いる事が多い。(七宝繋ぎ文)


『金』の字は篆書体を表していると思われ、二重方形枠で囲まれており柿右衛門古窯、南川原窯ノ辻窯などから出土している陶片にも同じ様な物が見られる。



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