打ち出の小槌

今回紹介するのは、打ち出の小槌です。古民芸をこよなく愛するコレクターの中には、「恵比寿さん、大黒さん」だけを集めていらっしゃる方もいるそうで、これはその大黒さんが手に持っている打ち出の小槌です。
今から7年半ほど前に信州・松本の中町通りのお店で購入した物です。
この頃は、週末毎に南信州に出掛けており、この日は松本民芸館、露天風呂、骨董屋巡りをする為に早朝自宅を出発し、昼頃には松本に到着。中町通りは、骨董屋、松本民芸家具のショールーム、なまこ壁のカレー屋、アジアン雑貨屋等が軒を並べ一種独特の雰囲気を持っていて、私達のお気に入りの通りです。
夏の陽射しが容赦なく降り注ぐ中、何気なく通りを歩いていたら、古道具屋の店先に、この打ち出の小槌がぶら下がっていました。木の物が大好きな私の目は思わずこれに釘付けになりました。木味といい、汚れ方といい、なかなかの物で、値段がいくら位なのか知りたくてあちこち見ましたが、どこにもそれらしい表示がありません。店の奥に声を掛けても反応が無く、諦めようかと思った瞬間、ガラス戸に小さな張り紙を発見。 「御用の方は100M先のお店まで」と。
何と無用心なことと思いつつそちらに伺って価格交渉。やっとの事で、この打ち出の小槌は私の所にやって来ました。
あとで写真に撮ってみると、肉眼では見えなかったのですが「小国神社・奉納」と判読出来ました。小国神社は結構いろんな所にありますが、遠州・森町から流れていったと考えるのも楽しいかなと、勝手に想像しています。お値段ですか?
・・・ それは内緒。


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