数か月前に横好きがボルボのボディをこすった。車が一台しか通れない、コンビニの出入り口から左折して道路に出ようとして、車の流れが途切れるのを待っていた時、そこから入ろうとする車が左から来て止まった。
その道路は道幅も狭く、そこそこ交通量もあったので、その車の後ろには渋滞ができた。コンビニには別の入口もあるし、どう考えても、うちの車が出ないと、そこから車が入るのは無理なのに、その車は諦めてくれず、絶対そこからコンビニに入るんだという強い意志を曲げなかった。
後で思えば、相手が無理な事をしようとしているのだから、そんな車は無視して、ゆっくり出ていけば良かったものを、横好きは少しでも早く出ようとして、ハンドルを思いっきり左に切って道に出た。
その時、助手席に座っていた私の目に入った物は、たくさんの車にぶつけられて、外側にビロ〜ンとめくれたガードレール。あっ、まずい！と思ったのも束の間、ガリッ！っと音が。少し行った場所で車を確認すると、数箇所、擦れた痕が・・。それ程、深い傷ではなかったので、ガードレールがめくれてなければ、たぶん当たる事はなかったと思う。修理代もさほどかからないだろうと思った。
豊橋にいれば、いつものディーラーにお願いするだけだけど、今は名古屋。仕方なく、豊橋のディーラーから電話を入れてもらって、こっちのディーラーに車を持って行った。店に着くと、用件を聞いていた人が電話中で、普通のお客と勘違いしたセールスは何の用？という態度だった。
確かに車は古い。でもなんだかな〜という感じがした。その後、車を見てもらうと、修理金額が車両保険の金額ピッタリの、４０万位かかると言われてびっくりした。でも、たぶんきっちり直そうとして、多めの金額を言ってるのだろうと思い、うちの車はもう古いので、使える物はそのままで、傷だけ直してくれればいいということで車を預けた。
普通、見積り金額って、もしもに備えて、少し大目に言っておくというイメージがあるけど、修理が終わると、修理代は５０万をちょっと切るくらいだと言われた。でも、車両保険の４０万に何とか収めましたとの事だった。あまりにも金額が高いので、横好きが確認の為に聞いたら、このディーラーは、フェラーリを販売している名古屋のコーンズと同じ板金屋に車の修理を依頼しているそうで、その職人さんの賃金が高いのだろうという事で納得した。
車が戻って来ると、私でも分かるくらい、修理部分の色が綺麗な赤になっていた。普通は他の部分と色を合わせてくれるらしいが、そこだけ異様に濃い。横好き曰く、フェラーリレッドでも塗ったんじゃなかろうかと。
その数日後、たまたま用事があって、豊橋に行った。ついでにディーラーに寄って、ずっと車の面倒をみてくれていたサービスマンたちに車を見せた。皆、口々に４０万は高いと言った。色も、こんな濃い色にせずに、他と合わせるけどな〜とも。やっぱり、もう少し落ち着いて考えて、豊橋に車を持ってくれば良かったかな〜と横好きが言った。
うちのボルボは古い。もう面倒をみられる人間が限られている。若手ばかりの都会のディーラーでは直せる人間がいないらしい。やっぱりこの車にフェラーリレッドは似合わない。