私は相方から桜守かと言われる位に桜の季節になると飛び歩いています。毎年3月中旬の桜が丘ミュージアムの桜を皮切りにスケジュールを組み、後はその時の気候と仕事の段取りによって調整をしながら観に行く桜を決めています。
恵那市串原(旧串原村)にある「ひよもの桜」は家庭画報の2004年4月号で美濃地方の「名桜と生きる家」で紹介された時から気になっていた桜の一つでしたが、この年はすでに長野県南伊那郡阿智村の「駒つなぎの桜」と清内路の「黒船桜」を予定していたので、観に行くことができませんでした。昨年は昨年で、開花時期がこの「ひよもの桜」と旧上矢作町 熊谷家の「新田の桜」と重なった為にこちらを優先してしまい、やはり断念。そして、今年やっと念願叶って観る事ができました。
この「ひよもの桜」は代々、この地で農林業を営む三宅さんのお宅の墓守桜として約300年前に植えられたそうで、現在は11代目のご当主が見守っています。三宅さんのお宅を取り囲む形の山の中腹に1本すくっと立っている桜の根元には代々の墓が並んでいます。この墓の主たちは、この荘厳な桜にいだかれて安らかに眠っている事でしょう。
西行の詠った「ねがはくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの もち月の頃」が、ふと思い出されました。

2006.04.16現在


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