北アルプスの美しい山々を背景に緑豊かな田園風景が広がる中、ピラミッド型の寺院の様な美術館はありました。この「百河豚美術館」は河豚料理の老舗「太政」で財をなした青柳政二氏が、長年にわたり蒐集した古美術品を、地方文化の発展の為に、生まれ故郷の朝日町に寄贈したことにより開館しました。
「百河豚(いっぷく)」と言う変わった館名は、河豚を愛し、河豚料理屋を営んでいた青柳氏の号「百河豚」をそのまま命名。これは氏の体重が百キロ近くあった事を引っ掛けたのと、心の安らぎの一服と言う意味も含まれているとの事です。


美術館の周りは池です 楽しかった鯉の餌やり

この美術館の展示品は、点数こそ少ないものの、古代から近世にわたる日本と東洋の絵画、工芸、書、彫刻などが系統的に展示されています。特に青柳政二氏が熱心に蒐集したのが、江戸時代の初期に活躍した野々村仁清の作品。質、量共にトップクラス。ひとつ見るだけでもなかなか機会がないだけに、これだけのモノを一度に観賞出来たことは貴重な体験でした。
でも、本当に楽しかったのは鯉の餌やり。美術館の建物に向う橋の上を歩いて行くと、どこからともなく鯉が集まって来て、餌をねだります。帰りに館内で餌を買って鯉にやりましたが、たくさんの鯉が夢中でパクパクするので、これが楽しくてたまりませんでした。その姿を見た縦好きに、旅行中一番楽しそうな顔をしているねと笑われましたが、意外とそんなものかもしれません。


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