実は今日、この葦毛湿原に行く前に作手の長の山湿原のサギソウが見頃との地方紙の情報に釣られて行ってきました。ところがこちらの湿原は、葦毛湿原の様に遊歩道があるわけでもなく、周りには電流が通った電線が張り巡らされており、とても中に何が咲いているかわかるような所ではありませんでした。道沿いに3本だけ咲いているサギソウを見つけたので、何とかその写真を収めて帰ろうとした時に丁度カメラを持った人が現れ、サギソウだったら葦毛湿原の方も咲き始めましたよと教えてくれたので、急遽そちらへ行くことにしました。
行ってみると確かに長の山湿原よりよく見える所にたくさんではないけどサギソウが咲いていました。この花はサギが羽を広げた姿に似ているところからこの名が付いたと聞いたことがありますが、確かにそうですね。
見方が悪いのか、サギソウ以外はこれといった花が咲いてなかったので大して写真も撮らずに一周回って戻ってきてしまったのですが、改めて入口付近の所にある葦毛湿原で咲く花の看板を見ると、雑草くらいに思っていた小さなキクもミズギクという名の高原植物に近い湿原ならではの植物だということが分りました。
そうなんですよね。そもそも雑草なんてないんですよね。みんな大切な植物です。

花の看板のすぐ近くに、しつこいほどの書き方でマムシに注意するよう書いてありましたが、葦毛湿原を管理している方の話では、昼間暑い時は遊歩道の下でマムシは涼んでいるのだそうです。くれぐれも下に降りたりしないようにとの事でした。もし何か落としても、まずマムシがいないか見てから拾って下さいとも言ってました。
マムシは赤外線を出して熱を感知してモノの大きさ等を判断するそうで、人の手の大きさがこの辺りのアズマヒキガエルの大きさと丁度同じ位で間違えて咬むそうです。
これを聞いて何も知らずに呑気にサギソウの写真を撮っていた事が怖くなってしまいましたが、遊歩道を歩く時に人間が来た事がマムシに分る様にドスンドスンと足音を立てて歩くといいと教えてくれました。マムシも、あ、来たなと分かって急に襲ってきたりしないそうです。
一昨年来た時にオタマジャクシの大軍を見てびっくりしましたが、これは蛇の好物だそうです。蛇がとぐろを巻いて、首をあっちにもたげこっちにもたげ、オタマジャクシを食べている姿を想像しただけで恐ろしくなりますが、そのお陰で湿原がカエルだらけにならずに済んでいるそうです。
撮り忘れたミズギクの写真を撮りにもう一度湿原に戻りましたが、もちろん二人でドスンドスンと足音を高らかに鳴らしながら歩きました。(笑)

2007.08.11現在

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