北国街道の宿場として寛永2年(1625年)に開設された海野宿。
1995年10月に訪れて以来、12年の歳月が過ぎ去った今も街道の用水路には綺麗な水が流れていた。現在は重要伝統的建造物群保存地区に指定され、江戸時代から続く面影を色濃く残している。
前回は夕暮れ時に訪れたので、まるで時代劇のセットに紛れ込んだ様な錯覚に囚われたが、今回は昼間に訪れたので昔の様な驚きは無かった。
中山道の妻籠宿や馬篭宿に比べれば、北国街道「海野宿」はそれ程有名では無いが、地域の人たちが地道ながら守り続けている姿にホッとした。
因みに街道の長さは650mしかないが「日本の道百選」にも選ばれている。

白鳥神社
平安・鎌倉時代の豪族、海野氏の氏神。
現在は海野宿の人々の産土神。

本卯建(ほんうだつ)
建物の両側にあり、屋根より1段高く小屋根がついたモノで、別名、火返しとも言う。

袖卯建(そでうだつ)
江戸時代の本卯建に対して明治時代以降、意匠の凝ったモノが作られたが、裕福な家が豪華さを競い合った。
「うたつがあがらぬ」と言う言葉の語源になっている。

気抜き
江戸時代の旅籠が明治に入ってから養蚕農家に替わり、客室を蚕室にして室内の温度を上げる為に火を焚いていた。その焚火や煙を換気する為の施設として後から設けられた。

出桁造り
江戸時代の旅籠屋で多く見られ、1階より2階のほうが張り出している建築法。

海野格子
長短2本ずつの木の組み合わせで模様を作った格子の事を言う。
江戸時代から続く海野宿特有の意匠で、2階の出格子のみに見られる。

ガラス工房 橙
店内には所狭しとガラスの作品や小物が並ぶ工房兼ショップ。白い漆喰壁に薄いブルーの朝顔が映え、街並みに溶け込んでいた。


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