『長篠堰堤』今から約100年近く前の明治45年(1912年)長篠の古戦場の上流に発電機と水車を上下に繋いだ日本初の縦軸式水車発電所、長篠発電所が完成しました。これは当時、世界最新鋭の米国ナイアガラ発電所を見本として造られた画期的な発電所で、ナイアガラ式発電と呼ばれていました。長篠発電所の上流900Mには豊川の水流を堰き止めた長篠堰堤があります。堤高は8M、堤頂長25.4Mの長篠堰堤は、大分県の白水溜池堰堤、秋田県の藤倉水源地堰堤と共に「日本三大美堰堤」の1つに数えられています。付随する長さ100Mの余水吐は、別名「花の木のナイヤガラ」とも云われ、梅雨時などは見事な流れを見せてくれます。建設した頃は下流域の豊橋市で軍需産業などが発展しつつあり、急増した電力需要を補う役目を担っていました。長篠発電所は今でも使われていてJR飯田線に送電されているそうです。
因みに長篠堰堤は日本の近代土木遺産「現存する重要な土木構造物2800選」のAランクにも選定されています。
信州や東濃方面に山越えで出掛ける時はいつも目にしていますが、そんなに凄いものだとは思ってもみませんでした。案外自分だけが知らないだけで、身近な所に驚きの施設や遺産がまだまだあるのかもしれませんね。

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