勅使門を下から見る 勅使門の内側 勅使門の内側

 
 
 
 
 
勅使門の内側

春の冷たい雨がそぼ降る中、京都の夏の風物詩を飾る大文字焼きの舞台、大文字山の麓、山科に毘沙門堂を訪ねた。
昨日までの春の陽気が嘘の様に、盆地特有の底冷えに加え春雨が体の温もりを奪っていく。
こんな時にでも桜は可憐な花を一生懸命に咲かせている。
雨に濡れた苔の緑が桜色の花弁をよりいっそう際立たせている様に感じるのは私だけだろうか。
ここ毘沙門堂は天台宗五箇室門跡のひとつに数えられ、高い寺格と鄙びた山寺の風情を伝える古刹として知られている。

勅使門への石の階段

京の七福神の一つ毘沙門天をご本尊に祀る事からこの名がついた。
かつては陛下の行幸かその代参の時、現在は当門跡門主の晋山式以外は開門されない開かずの勅使門を見学。
雨に濡れた石段に桜の花びらが舞散って、所々に朱色の模様を織りなしていた。
中に入ると以前は、御所にあった後西天皇の旧殿を元禄六年に移築した宸殿。
その前庭の枝垂れ桜は樹齢百数十年を数える巨木で、その枝張りは30メーターにもおよぶそうだが、ほぼ満開の状態でとても綺麗だった。

枝垂れ桜

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