横好きが「葦毛湿原(いもうしつげん)に行ったことがない」と言うので、今日ふらっと行ってきました。
生憎デジタルカメラの電池の残量が8分。でも、知り合いから、今はあまり花がないと聞いていたので、期待せずに出掛けました。
ここは豊橋市の市街地からそれ程遠くない場所にあるのですが、駐車場から湿原に続く道からして既に空気が違います。
着いてその辺をさぁっと歩いて「確かに花がないね。」と言いながら、沢山あるモウセンゴケの写真を撮って、ふと見ると不気味な黒いうごめく集団。よ〜く見るとおたまじゃくしの大集団でした。あまりの数に目が離せなくて、しばらく2人でじっと見ていると、一人の年配の男性が近づいて来て、「これはアズマヒキガエルですよ。こんなにおたまじゃくしがいても育つのは1万匹に1匹なんですよ。」と教えてくれました。
この方、ツアーでこの葦毛湿原に来るお客さんの案内をする為に下見に来たそうです。
ここが大昔海だった事、戦時中は弾薬の隠し場所だった事、カンアオイがたくさん生えていた頃は岐阜蝶もいた事、等々色々教えて下さっているうちに、ふと「キンランやカザグルマは見ましたか?」と聞かれ、「キ、キンラン」と私達の目は輝いてしまいました。そう、そうなんです。ついこの間、掲示板で話題になったばかりの花なんです。見てないと言うと、早速ひっそりと一本だけ咲いているキンランの場所を教えて下さいました。前に見たときは3本あったそうですが、誰かが抜いて持ち帰ってしまったようです。
そして、もう1つの「カザグルマ」。たった数輪、しかもちょっと高い位置で咲いていて、良く見ることができませんでしたが、これも私の中で気になっていた花で、つい昨日もネットで調べていたものです。
今年、吉野の千本桜を見に行った時に寄った「薬の館」でもらった大宇陀の町のパンフレットにカザグルマの写真が出ていて、「大宇陀がカザグルマ自生地の最北端」と記されていました。このガザグルマ、どう見ても鉄線にそっくり。実は、一ヶ月程前のテレビの園芸の番組で、クレマチスは鉄線を品種改良したものだと言っていたので、じゃあ、このカザグルマは一体なんなのかな?と何だかとても気になっていたのです。
そして、昨日検索したサイトでやっと辿り着いた結論。このカザグルマをシーボルトらが西洋に持ち帰って、品種改良したものがクレマチス。そして、鉄線は中国原産の別のもの。ただ昔、カザグルマを鉄線と呼んだ時期あって、判りにくくなっているとのことです。花弁(実際には萼片だそうです)の数が8枚がカザグルマで鉄線やクレマチスは6枚が多いそうです。ただこれも違う場合もあるそうです。
きっとこの花については大勢の方が研究していて、ここに書いたことは私が読んだサイトからの抜粋ですので確かではありませんが、このすばらしいタイミングでこのカザグルマを実際に見ることができた事に感謝しなければなりません。
そして、この葦毛湿原の名前の由来や植物の事を色々教えて下さった方に感謝します。
こういう場所に来たら、ただ足元を見ていてはいけません。上も下も横も全部見ながら、丁寧に歩くことを教えて頂きました。
そして、綺麗な花を見つけても決して採ってはいけません。撮っていいのは写真だけ。それも、遠くからそっと・・・。

葦毛湿原の名前の由来
昔この近くを通っている旧鎌倉街道を逃げてきた源頼朝が、厳しい山越えで疲れて死んでしまった葦毛(あしげ)の愛馬をこの場所に手厚く葬ったことから、この地を葦毛(いもう)というようになったそうです。すぐ近くに鞍掛神社もあり、頼朝が馬を繋いだ「駒止の桜」の碑もあります。桜はかなりの大木だったようですが、現在は枯れてなくなってしまったので、新たな桜が植えられているそうです。桜大好きの横好きも知らない話でした。

 
カザグルマ
カザグルマの後姿
大宇陀が北限地ではないような?
キンラン
キンラン
やはり増えない花だそうです。
ハルリンドウ
ハルリンドウ
直径1cm位かな? ピントが・・・。

ミカワバイケイソウ
ミカワバイケイソウ
群生してました。

ハンカイソウ
ハンカイソウの蕾
咲くと大きな黄色い花だそうです。

モウセンゴケ
モウセンゴケ
トウカイモウセンゴケというのもあります。

2005年5月13日

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