中将姫誓願桜

岐阜市大洞に八重桜の変種で、根に山桜を接いでもつかず、実もならない日本で唯一のオンリーワンの桜を観に来た。
この桜は中将姫誓願桜(ちゅうじょうひめせいがんざくら)と呼ばれ、昭和4年4月に国の天然記念物に指定されている。
寺の言い伝えによると、大和の當麻寺にて蓮の糸で曼荼羅図を織り上げた中将姫は願成寺(がんじょうじ)にやって来たが、その時自身も婦人病を患い一歩も歩けない程だったそうで、姫は自分のお守りと女性の災難除けに一本の桜を植えたそうな。それがこの桜で、細かな花びらが30枚から35枚もついていて可憐な姿を見せている。
以前は近所の人が桜の季節に少し見に来る程度だったのが、テレビで紹介されてから少しは賑わう様になったが、まだまだ知る人ぞ知る桜の木と言えるだろう。

その後、天下の名水「宗祇水」を見る為に合併したばかりの郡上市へ一路車を走らせる。この日の美濃地方は汗ばむ程の陽気だったが、水の町郡上八幡には涼やかな風が吹いていた。
名水百選にも選ばれた「宗祇水」は肉桂玉で有名な桜間見屋の裏手にあり、見物客が順番に柄杓に水を汲んでは飲んでいた。
内助の功で知られる山内一豊の妻千代は郡上八幡城を築いた初代城主遠藤盛数の末娘にあたる。
八幡城の下のお寺に植えられた桜を前景に取り入れ、写真を一枚撮ってみる。
ここでは卯建の上がる古い町並みが残っており、吉田川の水を巧みに利用した用水路との組み合わせが癒しの空間を演出している。
こんな静かな町も7月中旬から9月の中旬には、多くの人で溢れかえる。
そう、郡上おどりだ。
なかでも、ピークの盂蘭盆には四日間の徹夜おどりと称されるものがあり、朝の5時まで踊り通す。私はこの時期に訪れたことはないが、郡上おどりの時に泊りがけで来た友人の話では、楽しくてかなり興奮ものらしい。
確かに、町の盆踊りでも結構盛り上がるのだから、それが町全体となれば、凄い熱気に包まれるのだろう。
この後、下呂市和佐の苗代桜へ向かう。
今回の目的はライトアップされた苗代桜の夜の写真だが、自信がないので明るい時間の写真を押さえに撮っておこうと思った。

郡上八幡城
宗祇水
途中、梨の木公園で鯉幟の大群に遭遇。この地区は、各家に手入れの行き届いた庭と蔵があり、美しい所だった。 梨の木公園横の鯉幟 肉桂玉の桜間見屋 おもたか家民芸館横の用水路

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