 白井はこの建物を、自身がもっとも好んだ京都・高山寺の石水院にちなんで「石水館」と命名した。 この石水館は芹沢銈介が自身の作品とコレクションを静岡市に寄贈したのを機に建設されたものだが、作者が自らの美術館を建築することは稀有なことだ。 石組みの重厚な建築物は外からは殆ど見えず、登呂遺跡公園の片隅にひっそりと佇んでいる。 昨今の主張しすぎる建造物と違い、建物の中も落ち着いた雰囲気だ。 芹沢銈介といえば、人間国宝に認定された染色作家。 今回、『日本の藍染め』を観に行ったが、さすがにすばらしいコレクションの数々だった。 『芹沢銈介のうちわ』も同時開催されていたが、色彩が豊かで、どれも優れたデザインばかりだ。 天はニ物を与えずとはよく言うが、彼に限っては天才と言わざるをえない。 |
 第2次世界大戦中に軍需工場を建築する際、発掘された登呂遺跡。 |
 静岡市登呂5丁目10-5 (一部、石水館パンフレット参考) |
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