世界遺産 白 川 郷
 
 
荻町城址からの眺め
荻町城址からの眺め
 
合掌造りの民宿・松兵衛 ふる郷・長瀬家

白川郷に来るのは今回で2回目。1995年12月、ドイツのベルリンで開催されたユネスコ・第19回世界遺産委員会で日本が推薦し登録されてからは初めて。
113棟もの茅葺きの合掌集落が建ち並ぶ荻町の姿は日本の原風景そのもの。よく写真やニュースなどで紹介されているのは、荻町を一望できる荻町城址(展望台)からの消火栓の一斉放水の眺め。1年に1度だけ11月の第1日曜の早朝10分間だけ火災予防の為に、消火栓の動作確認で一斉放水をするのだが、町全体に水のカーテンを作り、そのさまは爽快にして美しい。
以前は自動車道の整備も進んでおらず、前日に高山市に宿泊し、朝から白川郷に入ったものだが、昨今の道路状況は一段と進み飛騨清見ICで町の直ぐ近くまで一気に入ってこられる。手付かずの自然や風景がこれからも残っていく様に、住んでいる人達だけに頼らず、見学に行く自分達も何か出来る事はないかと考えさせられた。
今度は厳冬期のシーズンにライトアップされた合掌家屋を見てみたいものだ。
因みに国の重要文化財に指定されている「和田家」は17年4月4日から6月10日までの期間、30年ぶりの茅葺の修復工事の為に休館中で見る事が出来ずに残念だった。


日本一の連獅子で有名な荘川地区。最近はそばの里として売り出し中である。
今回立ち寄った「道の駅・荘川」には、2003・2月に五連水車が設置され、1番大きいものは直径13Mの水車から有効落差28Mを確保し、直径2.2Mもの挽き臼から毎時25sもの玄そばを作り出すそうだ。この街道沿いにも6軒もの蕎麦屋さんが軒を並べて腕を競い合っていた。
今回は高山市の「割烹 かさ井」さんでお腹一杯に食べた後だったので食べなかったけど、今度機会を設けて食べに来ようかな?

五連水車
世界最大の五連水車


 
荘 川 桜
 
 
もと照蓮寺の桜
照蓮寺
もと光輪寺の桜
光輪寺

御母衣湖畔中野展望台にあるこの2本の巨桜は樹齢450余年と言われ、どちらもアズマヒガンザクラ。
現在は御母衣湖の湖底に沈む照蓮寺ならびに光輪寺の境内にあったもので、昭和34年の晩秋、ダム建設中にこの地を訪れた電源開発株式会社の初代総裁高碕達之助氏がこの巨桜が湖底に沈むのをこよなく愛惜し、『桜博士』こと笹部新太郎氏と当時日本一の植木職人と言われた豊橋の丹羽政光氏の助けを得て、移植することを思い立った。電発会社もこれに協力し、世界に類をみない大々的な移植工事が進められ、昭和35年12月に完了し、翌春見事に花を咲かせた。この『荘川桜』は巨桜で雄姿の素晴らしさもさることながら、当時水没から老桜を守り、移植に協力した人々の純粋な行為が、今の時代に失われつつある「自然の大切さと自然に対する愛情、尊さ」を、改めて教えてくれる貴重な財産だと私は思う。
今年は昨年秋に飛騨地方を襲った台風の後遺症と、3月末の積雪によって餌が無くなった為に鳥によって花芽が食べられてしまい、満開にもかかわらず青葉と桜の花が共存だった。山桜は町の中の管理された桜とは違い、年によっては1分咲きにしかならない事もあるそうなので、今回はこれで納得しよう。


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