所用の為に伊賀に帰省したおりに2年振りに訪ねてみた「松尾」。
先日、伊勢文化舎から出版された「この店 この蕎麦」でも取り上げられている。この本でも書かれているが、三重県の手打ちそばの流れは大きく分けて松尾系、沙羅餐系 独学・その他に分けられる。松尾で修行をし暖簾分けされた弟子の店は、三重・奈良・京都に5軒あり、所謂ここが総本山に当たる訳だ。
それにしても、平日にも係わらず開店15分過ぎには10台ある駐車場も満車状態になり、その後も次から次にお客が来店する人気振りには驚かされた。
現在では修行中のお弟子さんもおらず、店主が一人で注文を捌き、2人のお運びさんが忙しく動き回っていた。
本日、私が食したのはざるそば650円と天ぷら皿650円で相方はちょっと奢って、天おろしそば1100円。
戸隠から送られて来る蕎麦粉を蕎麦には一番厳しい夏のこの時期、長年培った技術でそつ無く打ち上げている。腰が強く、ノド越しのすっきりした十割そばが、この値段で味わえることは嬉しいかぎりだ。
ざる中盛り・800円 大盛り・1050円 夜の営業は18時から21時で、土・日曜のみらしいので、出掛ける際は電話にて確認される事をお勧めする。


08.08.01現在

蕎 麦 の 細 道

松 尾
まつお

信州・戸隠で修行をしたご主人が近鉄上野市駅近くのお店から独立し、名阪国道伊賀一宮ICを降りて北に直ぐの場所に、建てた蕎麦屋らしくない黒壁のお店。
手打ちの蕎麦は、戸隠流の流れを引き継ぎながら、独自の世界をしっかり築き上げている。
 
伊賀焼の里にも程近く、美味い物好きの陶芸作家達も足しげく通って来るらしい。そんな関係で、蕎麦が盛られてくる器や、蕎麦湯を入れてくる入れ物も凝っていて、生ビールのジョッキー風ピッチャーに蕎麦湯がタップリと入ってきたりと、焼物好きにもたまらない魅力だ。
 
最近では関西圏でも糸挽き納豆を食べる様になり、京都の食通達の間で、松尾の納豆おろし蕎麦が結構流行っているらしい。納豆好きの方は一度お試しあれ。

ざる蕎麦大 天ぷら3人前
看板
 
三重県伊賀市千歳226番地2
TEL:0595-22-0546
営業時間
11:30〜14:30
17:00〜21:00
定休日:水曜
大日方農協製粉
十割
黒姫・戸隠・美麻産
玄蕎麦使用
99・01・15現在

Web
 
店の入口

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