木曽十一宿の宿場町、藪原宿に昨年の4月1日に開店した「おぎのや」五十路を過ぎてから、蕎麦打ち名人の高橋邦弘氏の「達磨 雪花山房」で1年半の修行の後、生家でもある、築120年以上の趣のある古民家を店舗にリニューアルして開業。天井が高く日本家屋が持つ独特の建築美を生かした店内はそれだけでも古民家好きには堪らない。灯り取りの高窓が囲炉裏に落とす陰影は何と美しいことか。店舗の横の蔵には修業先の「達磨 雪花山房」と一緒に仕入れた玄そばが一年分貯蔵されている。週一回の定休日に選別、磨き、丸ヌキまで済ませ、その日に打つ分だけ石臼で製粉をしている。
お品書としては「ざるそば」「鴨なんそば」「薬味そば」の三種類があるが今回食したのは、二八の「ざるそば」。翁系と言えば硬い蕎麦で有名だが、おぎのやの蕎麦は細切りでそれ程は硬くなく、適度な腰の強さとノド越しのよさで上手くバランスがとれている。漬け汁は出汁がしっかり効いていて美味しかった。そば湯はオーソドックスなスタイル。開業一年半で、まだ名店の域には達していないが、お店を切り盛りする女性陣の心温まる接客や、いつかは奈良井宿のように観光客であふれ返る宿場町にしたいと頑張るご主人の意気込みに、つい背中を押して応援をしたくなってしまう。 ざるそば 630円 鴨なんそば 1260円 薬味そば 840円