団塊の世代と思われるご夫婦が、中山道から彦根城へ向かう彦根道の七曲がりに面した自宅内にある蔵(二つ)を改造して、今年４月に開業。店名は、この屋敷が文久年間に築造された事に由来しているとの話だった。
ご主人に伺ったところ、札幌市にある「江戸流本格手打ち・長庵」のプロ養成コースを終了後、ここのＯＢでもある三重県の蕎麦屋で研鑽を積んだとの事。
麺は外一という、そば粉１０に対してつなぎが１の珍しい割合のモノで歯応えは十分。しっかり噛むと蕎麦がよりいっそう美味しく感じられる。漬け汁は江戸流の割には辛くなく、鰹の風味が丁度いい具合に効いている。
そば豆腐もふんわり、さっぱりして美味しく、そば湯は、黒姫のふじおかを彷彿とさせる位に濃厚なモノだった。相方が食したおろしは、キリリと冷えていて暑い日にぴったりだそうだ。
開業されたばかりだが、これからも歴史ある建物に負けない位の蕎麦を提供してくれる事を期待したい。