焼津市大住99
054-627-7222
7:00〜9:00
11:30〜14:30
定休日 月・火曜日
石臼挽き自家製粉
P有
2011.01.06現在

静岡県は横に長く、県内は大きく東部地区(富士、御殿場・伊豆)、中部地区(静岡・藤枝)、西部地区(浜松)に分けられ、それぞれの地域には美味しい蕎麦屋が点在している。一般に蕎麦処というと長野のイメージだか、私は密かに静岡も隠れた蕎麦処だと思っている。
その中には蕎麦打ち名人と全国に名を轟かせた名店『山梨・翁』の高橋氏の薫陶を受けた蕎麦屋が4軒もあり、その翁系の流れを汲む蕎麦屋が、昨年秋、焼津市内に新たに開店したと風の便りに聞き訪ねることにした。
「案山棒 あんさんぼう」と云う名のそのお店、店主は現在『山梨・翁』を弟子に譲り、広島で『雪花山房』を立ち上げた高橋氏が主宰する直伝蕎麦打ち道場で半年の修行を積んだのち、『翁』出身者が打つ蕎麦を味わえることで人気の『箱根 暁庵』、そして支店の『広尾店』で種物などを勉強し、2010年10月31日に開業したばかり。
一見ごく普通の外観だが、一歩店内に足を踏み入れるとリノベーションされた空間は、自然木を柱に使ったり、陶芸作家の作品が置かれたギャラリーがあったりして蕎麦屋と云うよりは洒落たcafe&galleryと云った雰囲気。
席はカウンター席、小上がりの畳席、テーブル席の3タイプが用意されているが、2人用のテーブル席に座る。
手にしたメニューを見て、先ず驚かされたのが、朝そば(7:00〜9:00) かけ・せいろ 500円と書かれていた事。焼津市や付近の藤枝市では、お茶や漁業関係者が早朝から「朝ラーメン」を食べる人がいるようで、それに対抗して朝そばをやっているようだ。量を抑えてあるので価格はワンコインの500円。



だし巻き 500円

そばがき 750円

田舎そば 850円

せいろ 750円

口取りに頂いただし巻きはしっかりダシが効いてボリュームたっぷり。次にお願いしたそばがきはもっちりしていてこれも美味。この2品を食しただけでこれから供される蕎麦への期待感が高まる。
先ずは田舎そばを頂く。太打ちの麺を噛みしめて腰の強さを味わっていると蕎麦の香りが鼻に抜けていく、確かに翁のDNAを受け継いでいる。ならばと、せいろを追加で注文。少し明るめの色合いをした蕎麦はエッジもきれいに立った細打ちでありながら、充分に腰の強さは感じられる。ノド越しもOKだ。漬け汁の味は、江戸前の辛口よりちょっと甘く感じたが充分許容範囲に納まっている。そば湯は別作りのポタージュ系。
最後に今日の玄そばを尋ねたら、笑顔で店主が厨房から出て来て保冷庫の扉を開け、茨城県常陸秋そば、福井県丸岡産、北海道の音威子府と玄そばを見せながら説明してくれた。蕎麦に対する自信の程が伺えた。
また一軒、これからが楽しみな店が静岡県に出来た。



ざる 850円
かけそば 750円
天せいろ 1600円
にしんそば 1300円
鴨なん、鴨せいろ 1400円

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