ギャラリー & 茶寮 絲結 ( しゆう)  滋賀県大津市大石富川4−4−15   077-546-7262  月・火曜日定休  11:00〜17:30  

昨年末に入手した「滋賀本」に紹介されていたギャラリー & 茶寮 絲結。
住所は大津市ですが、地図をよく確認してみると、何とそこは、蕎麦の名店「作美」からほんの少し大津寄りに行ったところにありました。こんな場所なら、実家からそれ程遠くないと思い、実は先月一度お店に行ってみました。ところが、その日は生憎の臨時休業。たまたま、今回、法事でまた伊賀に帰省したので、今度こそと再訪しました。
信楽川の畔に建つその建物は、築180年の曲家で、福島県で解体した後、5年の歳月を掛けて移築したと、染織作家でもあるオーナーさんから伺いました。私もボルボに乗り始めた頃に、福島〜宮城〜山形と「骨董&古民家&蕎麦」を満喫する旅に出掛けたことがあるだけに、その姿に遠い昔の思い出が蘇ってきました。
格子の扉を開けて中に入ると、店内は、右側にギャラリーへの入口、左は茶寮への入口となっていました。ギャラリーの入口には、オーナーさん宅の家紋が染め抜かれた筒描が飾られていましたが、私も筒描が好きなので、自分の家の家紋を飾る気持がよく理解できます。それにしても、家紋ほどシンプルで素晴らしいデザインはなく、こんな風に飾ると蔵戸の扉とマッチしてよく映えていました。
先にお茶をしようと思って、茶寮の中に一歩足を踏み入れると、そこはオーナーさんの好みが見事に反映された、素敵な空間でした。6尺の近江水屋、伊万里焼のそば猪口や火鉢に始まり、キッチンまでもが、どこを切り取っても雑誌の中の1ページの様です。そうそう、圧巻は、職人さんが割れない様に腱鞘炎になりながら真ん中をくり抜いたという湖東焼の手洗い鉢。湖東焼は伊万里焼などと違い、元々焼かれた数が少ない上に、現存する数も少ない希少な焼き物です。お手洗いに行ったら、気に止めて見て下さいね。
大きな信楽焼の花器が乗った虫食いだらけの栗の板も、興味のない人にはただの腐った板でしかありませんが、オーナーさんが、この板の為にこの家を建てる事になったとまで言うほど、惚れ込んだ物だそうで、空間を素敵に演出していました。
入口が別だったギャラリーも茶寮と繋がっていたので、素敵な染織の作品や焼きものをこちらからも見にいく事ができました。
6月の20日前後には蛍も飛び交う、自然豊かなギャラリー & 茶寮 絲結。 この季節は9月〜4月限定の、注文を受けてからお団子を手作りする、美味しい白玉ぜんざいを頂きながら、至福の時を味わってみてはいかがでしょうか。

2008.09.07現在
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