美濃加茂市の中心部から山間の細い道をくねくねと三和町下廿屋まで向かうと山に囲まれた美しい景色と清流が流れる小さな集落に辿り着きます。 ここ三和町は蛍で有名な場所。その中の１４０年前に建てられた民家をリノベーションし、０９年９月にオープンしたのが季菜口。
昔から都会よりも古い建物や田舎のゆったりとした感じが好きだったというご夫婦が縁あってこの地にあった古家を借り受け、自分たちだけで改築したそうです。
長く飲食業に従事していた御主人はもとより、奥さんも大工仕事は初めての体験で、最初はどうなる事やらと心配だったそうですが、たまたま奥さんが、美濃加茂市内で家具工房を開いているヒュッテファニチーの奥さんと友人関係だった事もあり、木工仕事については色々とアドバイスをして貰い、完成にこぎ付けたとのお話を伺いました。
元は囲炉裏が切ってあった部屋は全て取り除いて土間に仕上げ、和の空間の中で唯一椅子とテーブルのスペースに。
不思議な３人掛けの椅子は映画館で使われていた物だそうでテーブルは蔵戸。その他、古い箪笥を下駄箱に再利用したりと、古材や古道具好きの私達にはツボでした。
そこだけが時間の流れを止めているかと感じてしまうほどの静けさの中、忙しく追い駆けて来る携帯電話の呼び出し音もこの場所では似合いません。
今回は食後に行ったので、私は一杯ずつ淹れてくれる珈琲を、そして相方はぜんざいを頂きましたが、やっぱりこの季菜口はランチが気になります。