茶房 好日居(こうじつきょ)
京都市左京区岡崎円勝寺町91
075-761-5511
13時〜18時
月曜・火曜定休
P無 2012.06.24現在
(2015.05.18より営業形態変更)
詳細についてはblog 又は電話
にて確認をお願います
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平安神宮に向かう神宮道から脇道を右に折れると、ひっそりとした路地裏に大正時代に建てられた京町屋を巧みに改修したちょっと変わった茶房があります。
その名は「茶房 好日居」今日も『好い1日だったなぁ』と感じて貰えれば嬉しいとの気持ちから、禅語の『日々是好日』からつけたそうです。
道端に鉄製の行灯が置かれ、入り口脇の柱に「好日居 やってます」という札が下がっているだけの「茶房 好日居」は、一級建築士の資格を持つオーナーの横山さんが、不思議な御縁や偶然が積み重なり、沢山の知人友人の手を借り1年半を掛けてオープンに漕ぎ着けたそうです。
訪ねるのは今回が2回目。初めて伺った昨夏は、いかにも夏の京都といった暑い日でしたが、大勢の常連客がみえていました。カウンターに陣取り、オーナーの横山さんと「どちらからお見えになったんですか〜?」、「ハイ、愛知県からです」「えっ! 私、名古屋出身なんですよ〜」などと他愛もない会話を交わしながら、冷たい大和茶を頂きました。その時見つけた、お店のフライヤーに「エアコンございません」と書かれていたのには、思わず苦笑してしまいました。 
横山さんが、なんでこんな暑い日に、大勢人が寄って来るの? もっと涼しくて過ごし易いと思う時には誰も来ずに暇やったな〜と笑いながら発した言葉が印象的でした。
今の時代、左官業に携わる人でさえ、三和土(たたき)の作り方を知らない事が多いと聞きますが、横山さんは自ら三和土作りの教室で学び、店の玄関の土間を作ったそうです。
中庭の風鈴の音色が涼しげで、小さな灯りに照らし出された古い米沢箪笥やテーブルが置かれた部屋の向こうには大谷石を床に敷いた小部屋があり、李朝のバンダチ、中近東の絨毯などが、京町屋の小さな空間の中で絶妙なバランスを保ち、いい意味で独特な空気感を醸し出しています。人がモノを呼び寄せ、また、そのモノが新たな人を惹き付けるのではないでしょうか。
御縁とひと括りに云ってしまえば簡単に終わって終う話ですが、今日カウンター席で御一緒させて頂いた方の中のお一人は、初めて伺った時にも居られました。こんな偶然って、そんなには無いと思います。これって、この家に引寄せられたって事でしょうか。
この店の常連客は暑い日、寒い日に関わらず、このお店でのんびりと美味しいお茶に口福を味わいつつ、オーナーとの会話や雰囲気を楽しみ、いい気持ちになって帰られるのではないかと思いました。

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