女城主の里として有名な恵那市岩村町(旧岩村町)は、近年(1989年) 国土問題研究会よって『農村景観日本一』に選ばれています。
周りを山々に囲まれた岩村盆地の中に、瓦と白壁の農家や土蔵が点在する昔ながらの農村風景は日本の原風景を思い出させてくれます。
国道363号線沿いの富田地区には、この農村風景が一望できる展望台があり、そこから中津川市方向に進んだ阿木地区に目指すカフェがあります。
国道から曲がる場所には、迷わない様に営業している曜日だけ、赤い看板が表示されています。
そして、幹線道路に面した土手に何故かお店の名前を示したボードが設置されています。

cafe 500 の名前の由来は、愛車フィアット500に因んで付けられました。駐車場に車を停め、正面のガリバニュウム鋼板で囲われた四角い建物の方がお店かと思ったら、豈図らんや隣接する蔵がカフェなんです。
余談ですがこの御自宅、フィアット500は勿論、ハーレーも一緒に収納されるガレージを内蔵しており、ガレージライフ誌の表紙を飾ったそうです。
元々オーナーは、地元の醸造メーカーに蔵人として勤めていましたが、色々と考える所があり、カフェの店主になったと伺いました。現在は他にも仕事を持っていて、二足の草鞋状態とのお話でした。
当初の計画では蔵を住居にし、今、自宅の建っている場所にカフェを予定していましたが諸般の事情により断念、自ら図面を引いて蔵をリノベーションしカフェ開業に漕ぎ着けたそうです。靴を脱ぎ、蔵の戸を開けて中に入ると、内側の壁はコンクリートで塗り固められていて、無機質な空間が現れます。6坪の床面積しかない蔵の1階には、カウンター席が5つ、階段を上がった2階には畳が敷かれ、卓袱台の様なテーブル席が3つありました。
先ず注文したのは「南国の熟した果実を思わせる芳醇で複雑な香味」と書かれた深煎りのマンデリンとチーズケーキです。抽出用の道具は、私も愛用のKONOの二人用ドリップ名人に耐熱用の計量カップ、お湯の落とし方に特徴があり、点描の様にお湯を落としています。じっくりと粉を蒸らして珈琲の旨さを引き出しています。待っている間に店内をじっくり観察です。


何故か名古屋市名東区藤が丘にある『JAZZ茶房 青猫』が思い出されました。茶房青猫は半地下になっている為、多少は光が差し込んできますが、ここ cafe 500では光取り用の小窓が1ケ所だけ設けられ、凛とした空間は小宇宙を感じさせます。
開店当初、この国のこの農場の珈琲豆を味わって欲しいと、メニューはストレート珈琲のみに拘っていたそうですが、来店される方のすべてが珈琲に詳しい訳ではなく、今ではブレンド珈琲を3種類と抹茶やドリンク等も用意されています。
そうこうしている内に、一杯出しの珈琲とケーキが供されました。流石に拘り抜いた豆から淹れた珈琲は、私を南の国に誘い、チーズケーキの濃厚な味と相まって、とても素晴らしい時間を過ごさせてくれました。(2杯目は、トリコブレンドをお願いしました)
この日は平日の午後だったので、私を含めてお客は少な目でしたが、土・日の昼間などは蔵の横に在る待合所で順番待ちが出る事もあるそうです。日本の古き良き時代の原風景に遊び、拘りの珈琲を味わいに来る、唯、それだけの為にわざわざ時間を作る、そんな日々の贅沢があっても良いのではと考えさせられた一日です。
*(店内撮影禁止の為、自分の注文したモノだけ許可を頂いて撮影しました)


岐阜県中津川市阿木4584
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