名東区はすぐ近くに名古屋ＩＣがあり、地下鉄東山線に乗れば、乗り換えなしで名古屋中心街に行けるという利便性もあり、マンションが立ち並ぶ人気の場所だ。そんな名東区の、整備された広い幹線道路から一本中に入った住宅街の一角にある『coffee Kajita』。若い梶田夫婦が二人三脚で頑張って、心地良いカフェを目差し、０４年１１月にオープンしたばかりの店。
珈琲はご主人の担当で、世界中からスペシャリティーな豆をセレクトし、自家焙煎で６種類のブレンドとストレートに仕上げている。店を出す前の10年間はいろんなお店の味を確かめながら勉強し、東京の珈琲工房「ホリグチ」のセミナーには５年間通ったそうだ。
ケーキはレストランや洋菓子関係の仕事に従事し、最終的にはパティシエを目指し、フランスで研修を受けたほどの腕前の奥さんが担当。
手作りのメニュー本には豆の詳しい説明文が書かれているなど、細やかな気配りが嬉しい。又、注文時に尋ねれば、奥さんの作るケーキに合う珈琲も懇切丁寧に教えてくれるそうだ。

アイボリーカラーに塗られた優しい色合いの外観が何とも言えずイイお店。ドアを開けて中に入ると、正面に可愛いケーキが並ぶショーケースが置かれ、右側には８人が座れるカウンターが用意されている。小さく切り取られた窓辺には、思わず「ハッ」としてしまう程カッコイイデザインの珈琲カップがディスプレイされていて、その下には柳宗理のバタフライチェア。計算されつくしたというより、いいものをさり気なく見せる巧いインテリアだ。
珈琲は円錐式のペーパードリップで一杯ずつ丁寧に落としてくれる。器はご自慢のアンティークのカップ。お店を持った時にと以前から買い揃えていたらしい。天井近くの壁際に設置されたスピーカーから流れる音楽も程よい感じで、のんびりとした時間が楽しめる