柳 野
やなぎの
京都府京都市中京区寺町姉小路

13:00〜18:00 コーヒータイム
18:00〜 バータイム
05・07・03現在

08.02.03移転の為閉店

中京区三条通新町西入に移転
18:00〜26:00 075-253-4310
火曜休み

今回の京都行きは、3〜4日前に急に横好きが決めたものです。
7月1・2・3日が京都大骨董祭だったので、それに行きがてら中々足を延ばせない関西方面の蕎麦屋にも立ち寄ろうとの計画。ついでに、京都ならではのカフェなんかも一箇所くらいは入ってみようかと。
私は友人の家で不幸があった為、そちらに気をとられ、横好きがどこのカフェを選んだのかも聞かずに、お店に行ったらどんな風に写真を撮ろうかなどと、ただ漠然と考えながらの出発でした。
京都に着いても、主体性なく、ただ横好きの後をついて歩き、「ここ、ここ」と言われるままに入ったカフェ。
細い路地を入ると、間口の小さいごく普通の民家といった感じの建物。最近はこんな感じの民家をリフォームしてカフェをやっている所が多いので、中に入るまでは特別に何も思わず、ただ、やっぱり京都っぽいな位の感想でした。ところが入ってびっくり、普通のカフェを想像していた私は驚きました。入り口にちょっとしたスペースがあり、その奥の4帖半ほどの部屋に大きなカウンターが一枚と椅子が7脚ほどあるだけでした。カウンターが唯一、店主の若い女性とお客さんを隔てているだけの、よくテレビで見る様な、一見さんお断りの店といった感じで、座っていいのかなと躊躇してしまいました。私達が入った時は男性客が一人、店主と親しげに話をしていましたが、私達が座ると同時にピタッと話をやめてしまいました。ただでさえ、慣れない雰囲気に戸惑っているのに、余計に高まる緊張感。黙っているのも気詰まりだし、店主に声を掛ける勇気もなく、2人で小声で話をしていましたが、初めて経験する雰囲気でした。


メニューはコーヒー・紅茶・お抹茶程度でそんなに多くないので、私達はマイルドコーヒーを注文しました。ドリップで一杯出ししてくれたそのコーヒーは、芳醇な香りがし優しい味でした。(因みに豆は六曜社のモノを使用との事。)器やスプーンはもちろんアンティーク。さすがに店内の撮影は聞くまでもなく控えるつもりでしたが、できたらカップだけでもフラッシュを使わずに撮りたいものだと思ったのですが、やはりこの京都ならではの崇高なひと時を台無しにしてはと我慢しました。
そろそろ私達も腰を上げようかと思った頃、一人の観光客と思われる女性が「おじゃまします」と言いながら入って来ました。そう、「おじゃまします」がぴったりの雰囲気なのです。
少し前にテレビで、京都はお客さんによって、「おいでやす」と「おこしやす」の使い分けをしているという事を知りました。「おいでやす」は「いらっしゃいませ」の意、「おこしやす」は「よく来てくれましたね」という常連さんに使う言葉だそうです。お店の中に入った時のカルチャーショックで店主が何と言ったのか、何も覚えていないのですが、「おこしやす」でなかったことだけは確かです。

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