前期 10月7日〜11月5日 後期 11月7日〜12月3日

奈良県庁の横の駐車場に車を停め、奈良国立博物館の正倉院展の開場に間に合うように急いで地下道に入ったら、通路に貼ってあった奈良県立美術館で開催中「天才と奇才の師弟 応挙と芦雪」のポスターに目が留まりました。目玉は「芦雪の虎図」(前期展示)と「応挙の雲龍図」(後期展示)らしく、二つの作品がポスターの上下に大きく描かれていました。この「芦雪の虎図」は前から一度見てみたいと思っていたのですが、回遊魚の私もさすがに和歌山の無量寺までは中々行く事が出来ないので、この機会を逃すまいと、後で観ていくことにしました。


正倉院展の方はただただ凄い人で、何が何だか分かりませんでしたが、こちらはそれ程の人出も無く、静かにゆったり観賞できました。本当は音声ガイドを借りて、ゆっくり解説を聞きながら観賞したかったのですが、この後には信楽 MIHO MUSEUMの「青山二郎の眼」が控えていたので、一点一点じっくりと観賞するスタイルは取らず、これと思った作品に重点を置いて観てきました。
応挙の作品は、写実的でありのまま。その誠実さの表れなのでしょう。それに対して、師弟でありながらも実直な応挙を手本とせず、強烈な個性を放つ芦雪の作品は時にユーモラスでさえあり、目を惹きました。人物・花鳥動物・山水のジャンル別に二人の作品を並べてあったので、構図や表現の違いが見事に浮き彫りにされていました。間近に観る「日本画の本流」と「奇想の画家」の競演は、日本絵画の持つ美しさを改めて教えてくれました。


HOME CONTENTS