AZTEC 1991年式
この車、バブル期の1988年にイタルデザインの創立20周年記念と称してジウジアーロが発表したイタルデザイン・Aztecという車です。
運転席と助手席を分けるダブルキャノピーはまるで戦闘機のコックピットをイメージさせるデザインで、今見ても非常に斬新です。
当初生産予定台数は50台でしたが、最終的には25台しか生産されなかった貴重な車です。この車には Giorgetto Gigugiaro氏の直筆のサインが右クォーターパネルにあります。日本には2台現存していますが、動くのはこの1台だけだそうです。パワートレインには最高出力250hpのアウディ製の水冷直列5気筒ターボを横置きにしてミッドシップに搭載。駆動系にはランチア デルタ インテグラーレの4WDシステムを採用しています。4WD等の採用により1510kgと以外にも車重が嵩み、全幅も5気筒エンジンとミッションをクリアする為に1970ミリと広くなっています。
ドアサイドには 視界を確保する為ガラスがはめ込んであります。あと、ハンドルが2つも付いているという点もこの車の大きな特徴です。右側はダミーで、助手席のハンドルグリップですね。それ以外にもユニークな機能を満載しており、ブレーキオイル量にエンジンオイル量、冷却水量など、車両のコンディションを伝えるコントロールパネルが備え付けられています。車両の側面には車両状況を確認する際にコントロールパネルに入力するコードが直接ボディに描かれていたり、その隣にある収納スペースには油圧ジャッキや12Vのコンセント出力や懐中電灯、電動コンプレッサー(タイヤの空気など)、消火器に電動ドライバー等も装備しています。因みに価格は1億円で、バブリーな時代を反映しています。
また発売前の1991年には、F1モナコGPでデモンストレーション走行を行ない話題になりました。


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