こうやって使い込んだ道具で潰します。
 

ひっくり返しながら焼きしめていきます。
 
 

製品になるとこうなります。

かた焼と言えば、知る人ぞ知る伊賀の名物!実家に帰れば必ずお土産や自分用に買って帰る。このかた焼は初めて食べる人には、「そのまま噛まずに、かた焼とかた焼をぶつけて小さく割ってから、口に含んで柔らかくして食べてね」という説明がいるくらい固い。その昔、日持ちがするので保存食として重宝され、伊賀流忍者の携帯食だったと言われている。保存食というとあまり美味しくなさそうだが、これが噛み締める程に甘くなり、意外と美味しい。
子供の頃、かた焼がいくらしたのか覚えてないが、少ないお小遣いを握りしめ、街角に数多くあった小さなお店で、焼いているのを横から覗き込みながら1枚2枚単位で買ったものだ。最近はこういったかた焼も近代化の波で殆どの会社が機械で作っている。そんな中で、今でも手作りを続けているのがこの鎌田製菓。写真でも分る様に、昔のままの古い道具で一枚一枚丁寧に焼いている。
かた焼きは砂糖と小麦粉を練ったモノを棒状に延ばし、適度な厚さに切り分け、鉄板の上でスタンプの様な道具で押しつぶし、約30分程焼くと水分が抜け出来上がる。その途中経過のものが私がかってに「やわらか焼」と命名したもの。この「やわらか焼」は、約10分程しか焼いてないので、ふんわりして手でちぎれる程。時間が経つと固くなるが、また温めればやわらかくなるので食べる前にレンジでチンするといいらしい。
鎌田製菓では、出来たてホカホカの「やわらか焼」とはかた焼を焼いてる時でないと出会えない。今回はちょうど良い加減に「やわらか焼」になったものがあったので、10枚ほど大人買い(笑)。丁度、子供が「やわらかいの5枚頂戴」と言って買って行ったが、今も昔も変わらぬ風景にこころ和む想いだった。


鎌田製菓
三重県伊賀市上野丸之内8−31
TEL 0595-21-1345
営業時間 8:00〜12:00 2:30〜5:00
不定休
かた焼 1枚 40円 やわらか焼 1枚 30円
2006.08.13現在
 

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