この古伊万里は柿右衛門手の上手の膾皿で、器の裏には渦福の銘が書かれ、口縁に口銹が施されています。見込みの菊花弁を取り巻く流水に、桜の花が浮かぶ様を表現した現代的なデザインになっています。菊と桜では季節が合わないと思うのですが、四季全ての図柄の器を揃えるとなると膨大な数となります。いくら江戸時代に伊万里を持っていたのが特権階級の人や豪商とは言え、とても大変な事です。そこで春夏の図柄と秋冬の図柄を一緒に描けば、半分の数で間に合うとの発想でこの様な図柄が出来たようです。