そば横ボルボやめるってよ!

例えばず〜っとバッグを探してた。
やっと気に入って見つけたのは予算を大幅に超える高価なバッグ。
でも、出会ってしまった。
ブランドバッグが欲しかったわけではないけど、やっぱり頭に浮かぶのはそのバッグ。
どうしても欲しいけど、予算に合わないので中古を探してみる。
でも中古はそれなりの傷みがあって、やっぱり新品が欲しい。
考えに考えた挙句、ちょっと無理してでもやっぱり買おう!
このバッグがボルボ。
今から28年前の事です。



春:VOLVO桃オフ

初めて真っ赤なVOLVO240ステーションワゴンを見た時の衝撃といったら、カワイイ〜〜の一言。
銀色の金具類が真っ赤な車体に映えて、私の目にはまるでおもちゃみたいに映りました。
特に印象的だったのは後ろのテールゲート(現在こういう呼び方をするらしい)の留め金とバックスタイル。私はこれに魅了されました。
結果的にこの私のカワイイ〜押しでこの車の購入が決まったのですが、横好きにはこのカワイイ〜の意味が全く理解できなかったみたいです。



夏:車山にて

購入から28年5ケ月、このボルボは常に私達夫婦と共に歩んで来ました。
4回程の引っ越しの度、横好きの大切な骨董品はこの車で運びました。
初めての遠出の東北旅行や、出雲大社にも勿論このボルボで行きました。
ある時はゴールデンウィークに高遠の桜を見に行き、あまりの乗り心地の良さに、そのまま北陸に抜けて新潟で一泊し、会津まで一っ走りして、そのころ人気だった喜多方ラーメンを食べに行った事もあります。
ちょっとした遠出も疲れるから一泊しないと嫌だと言い続けた横好きが、ドライブ大好き人間に変貌し、かなりの距離でも気軽に日帰り旅行に連れて行ってくれるようになりました。
運転も車に合わせてセーフティドライブになりました。

そして、それから時が経ち、部品交換等のメンテナンスが頻繁に必要となりました。
現在、走行距離が63万キロ越えなので仕方ないと言えばそうですが、動かないという致命的な故障はなくとも、修理やメンテナンスの度にお金も掛かります。
一度修理代をざっと計算した事がありますが、間違いなくもう一台車が買える位の支払金額でした。
この車、今の車と違ってアナログ仕様なので修理すればずっと乗れるのですが、今後の事を考えると維持は流石に難しい。
2〜3年前に一度車を買い替えようかと思いましたが、あまりに古い車に乗っているせいで、最新の車についていけない部分もあり、結局そのままになりました。



秋:紅葉との共演


昨年、横好きは60歳の還暦を迎え、定年退職となりました。
現在、別の会社に就職して働いていますが、一度人生に区切りを付けました。
定年後にすべき事をいくつかアドバイスしている方がみえて、その中の一つに車を小さくするというのがありました。その方は大きな車を所有するのに充分な収入がある方ですが、それでも必要のない車を小さくしたそうなので、我が家は小さな生活をもっと小さくしていかないといけません。
そんな時に、義理母が高齢で免許証を返納する事になり、所有していた車を譲って貰う事になりました。
排気量も小さいし、横好きには物足りない車でしょうが、殆ど乗ってない車なので走行距離ではまだまだ新しい車です。

今乗っているボルボはというと、京都のボルボ乗りの仲間の所にお嫁に行く事になりました。
古い車は大抵部品取り用になり、解体されて行くのですが、そのまま乗ってくれるという方の元に行きます。
横好きに
「どうしてもまた乗りたくなったら、知り合いならまた買い戻せるよね?」
と聞いたら、即答で
「そう」
と言ったので、心残りは相当あるとみえます。
それでも、愚痴も言わずに名義変更の為の書類の準備などを粛々と進めている横好きを見ていると、切替の速さに尊敬さえ覚えます。
むしろ私の方が思い出いっぱいのこの車を手放すことに、本当にこれで良かったのかなどと弱気になってしまう事も度々です。



冬:雪のさんぽ道

長年、私達を守って、楽しい思い出をたくさん作ってくれてありがとう。
京都でも大切にして貰って下さいね。


文:そばの縦好き 2019.1.




最後のメーター










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