『一番好きなことは何?』と聞かれたら迷わず花を育てる事と答えます。 花を育てると言ってもベランダガーデニングですが、デジカメに夢中になっている今でも、一番心が休まる瞬間はやはり花の手入れをしている時です。 こんなに花に夢中になったのはいつの頃からだったでしょうか。 結婚当初住んでいたアパートは室内に洗濯機置き場がなく、ベランダは私にとってガーデニングの場ではなく洗濯場でした。 そんな所に住んだことのない人にはわからないでしょうが、横好きの転勤で名古屋方面へ引越した時、初めて洗面所に洗濯機が置ける暮らしになり、ちょっと大袈裟かもしれませんがとてもリッチな気分になったものです。 転勤に伴い、私の仕事も短時間のものになり、環境の変化と時間のゆとりが花へと気持ちを傾かせて行ったのでしょう。 その頃住んでいたのは名古屋の北部で、ちょっと車で走ればすぐ岐阜という県境に近い場所でした。 岐阜は山が多いせいか山野草のお店が多く、その頃洋花から和の花に目を向けるようになりました。 気に入った山野草店に足繁く通い、一時はお店の常連になり、色々なイベントの案内ハガキが来るまでになっていました。ハガキを持参するとくじを引かせてくれて、500円券などが当たるのですが、その券が当たるとまた山野草に交換して、どんどん花が増えていきました。 こんなことを繰り返している頃、横好きに転勤の辞令が出て、またこちらに戻って来ることになりました。 引越の時はベランダの鉢の数に驚きました。数は数えなかったものの、軽トラック一杯位になっていました。花を引越のトラックに載せるのはかわいそうなので、先に鉢だけ実家に運び、預かってもらいました。 そんなたくさんの花も、一昨年の残暑の厳しい9月に義父が亡くなり、葬儀の為に家を1週間程空けた時に何鉢かだめになり、その後も少しずつ数を減らしました。 義父も花の好きな人でした。 うちに遊びに来た時、ベランダを見て、『心に余裕がないと花は育てられない。』と言ったのを思い出します。 どんな時も心に余裕を持って、花と共に暮していきたいと思う今日この頃です。
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