4月8日に真言宗豊山派の総本山、奈良の「長谷寺」へ行ってきました。長谷寺と言えば牡丹。そう思う方も多いと思いますが、実は桜の美しいお寺としてもかなり有名です。私も横好きもこの季節の長谷寺は初めてでしたが、その美しさと言ったら、なんとも形容しがたい風情でした。生憎の薄曇りの天気と中国大陸からの黄砂で、すっきりとした青空は望めませんでしたが、そのかわり、もやっとした、まさに悠久の奈良といった空気の中で、藤原定家の『年も経ぬ 祈る契りは初瀬山 尾上(おのえ)の鐘の よその夕暮れ』(新古今和歌集)というアナウンスを聞きながら、399段の登廊を登ってきました。 |
この長谷寺は小初瀬山の中腹にあり、山の斜面のあちこちに大きな桜が点在し、まるで本堂や五重塔が桜の花の中に浮かんでいるように見えます。境内の中にはたくさんの由緒ある建造物が建ち並んでいますが、桜に魅了されてしまい、他のものは何も目に入りませんでした。本堂の舞台からの眺めはまた格別で、私には桜の花びらと一緒に舞い上がって行く天女の姿が見えたような気がしました。 文 縦好き 06・04・08現在
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