美濃路に春の訪れを知らせる美濃祭から2週間が過ぎた、人通りも疎らな美濃市を久し振りに訪ねてみました。 この町で一番目につくのが、2階の家と家の間にせり出している卯建。かつては日本全国で見られたものですが、その数もどんどん減って現在最も多く残っているのがここ美濃市です。この町には卯建のある家並みが続く一画があり、一番町、二番町の2つの通りは伝統的建造物群保存地区に指定されています。 卯建は元々防火用の壁でしたが、後に装飾的な意味が強いものになっていきました。時代の古い建物を見ると卯建はただの壁ですが、新しい建物には、瓦などかなり凝ったデザインのモノが見られ、富の象徴だというのが分かります。こんな所から、ぱっとしない事を卯建が上がらないと言うようになったそうです。 この美濃の町を訪れるのは3度目ですが、古い家々がかなり改修されていて、以前より綺麗になっていました。美味しい蕎麦を食べさせてくれた「桃李」が春日井市に移転した後の建物には、建物の説明を書いた高札が貼られ、中へ入れなくなっていたのは少し寂しい気がしました。 最近、こういう古い街並みを生かしながら残して行こうという動きが広まっている様に感じますが、若い女性が開店した新しいお店などもあって、古い中にも新しい風を感じました。 文 縦好き
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