親の残した莫大な借金を、わずか2年で完済し、のちに山林王と呼ばれた初代諸戸清六が二代目諸戸清六の新居にと建てたお屋敷だと聞きました。建物の中は、言葉では表せない程の贅が尽くしてあり、洋館の2階から庭を眺めていると、思わずスカーレットオハラになった気分でした。横好きからも、華麗なる一族みたいだねと言う言葉が漏れた程ですが、帰ってからネットで調べたら、華麗なる一族のモデルになったと言われている家とは親せき筋にあたるようです。まずは洋館の裏手の蔵と離れです。写真では一部しか紹介できませんが、兎に角素晴らしいものでした。
木造2階建ての土蔵です。基礎は御影石積み、周りは杉板、風雨にさらされて、かなり剥げていましたが、上部は黒漆喰仕上げだそうです。膳碗・汁器類を収納していたそうです。すぐ隣にも、もう一つ、衣類などが収納してあった蔵がありましたが、こちらは中が4部屋に分かれている大きなものでした。絵画展が開催されていたので中には入りませんでしたが、蔵というより住居にできそうな立派なものでした。先日見た、NHKの「美の壺」のテーマが蔵でしたが、黒漆喰は白漆喰と違って紙1枚と言われるほど薄く塗らなければならず、高度な技術が必要だそうです。鏡の様に顔が映るくらいピカピカなのが、完成した姿だそうですが、こちらより和館の廊下の突き当たりにある蔵の戸の方がピカピカに輝いていました。
水屋が設けてある、木造平屋建の離れ屋。木の種類はよく分かりませんが、山林王と言われただけあって、長押(なげし)が立派な一本の木だったりします。この長押(なげし)、格式のある家にはありますが、最近のマンションやアパートにはありません。元々、屋根は桧皮葺だったそうですが、修復工事で銅板葺にしたそうです。桧皮葺は神社仏閣に多く見られる葺き方ですが、後の手入れを考えると銅板葺の方が楽なんでしょうね。ガラスも昔のまま。向こうの景色がちょっとゆがんで見える所がいいんですよね。画像が多くてページが重くなるので、洋館は次のページで紹介します。NEXTからどうぞ。