名古屋駅からさほど遠くない堀川沿いの西側に「四間道」と呼ばれる一角があります。 地元の人以外はなかなか読めないと思いますが、「しけみち」と読みます。 白い蔵や木造長屋が立ち並ぶその場所は、織田信長が築いた清須の城下町を、徳川家康が1610年に町ごと引っ越しさせた「清須越し」の時に出来た商人の町です。「四間道」の語源は大火の時の類焼を防ぐ為に道幅を4間(7m)にしたからだそうです。 2001年、この地に最初にお店を開いたのが、先日も紹介したcade de SaRa 。その後も蔵を改装したダイニング・バー&カフェや創作料理のお店にガラス館、治療院等がこの町に開店しました。 町並みの写真を撮っていたら、この辺りに住んでいると思われる方が、ワザワザ立ち止まって「ゆっくり撮影していってくださいね〜」と優しく声を掛けて下さいました。のんびりした空間の中で、一瞬とはいえ心の中が癒された気持になりました。 名古屋駅前の桜通りを700〜800メートル程歩き、道を左にちょっと折れただけの路地にこんな場所があるなんて。すぐ傍に道を行き交う車の喧噪がある事など忘れてしまい、まるで古都にいる様な錯覚に陥ってしまいます。 「四間道」が心のオアシスとして、いつまでもこのままの姿であって欲しいと願うのは私だけではないでしょう。
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