岡崎の情報誌で偶然知った石原邸's Cafe。家に帰ってネットで調べると、ＨＰもあり、古文書に記されていた図面を元に、江戸期の状態に復元した建物だということでした。
建物の画像を見ると、宿場町か○○街道沿いにありそうなのに、地図を調べたら名鉄東岡崎駅から１キロくらいの住宅街の中。正直言って、そんな街中に本当の古民家がある訳ないと、あまり期待もせず行きましたが、これが驚く程立派な建物でした。
　
　
　
　
　
先ずは、どうしても古民家好きの私が注目して見るのが天井の梁です。梁や柱は家の屋台骨。これを見ればその家の造りがどの程度の物なのか分りますが、幾本もの立派な梁が重なり合う様に組んでありました。お話を伺ってみると、この辺りの尼寺のお勘定等を一手に引き受けていた庄屋の家柄だそうです。どおりでと合点がいきました。
家の中の階段箪笥や長火鉢は元より、建具も全てこの家に元々あった物を利用し、釜戸や井戸、囲炉裏なども忠実に復元して現在も使われていました。

最近では、昭和３０年代や４０年代の建物でも平気で古民家と呼ぶ場合があるので、復元部分があるとは言え、本物を見た嬉しさのあまりつい饒舌になった私に、お店の方がいつもは閉めてある２階も見せてくれることになりました。狭いかと思った屋根裏は意外と高く、桐箪笥や長持、屏風等が置いてありました。そして、もちろん２階にも立派な梁が通っている事は言うまでもありません。

ＨＰのリンク先に「吉村医院 お産の家」がありますが、この石原邸は吉村先生の奥様のご実家なのだそうです。妊婦さんに薪割りをさせて、自然なお産を促すという変わった産婦人科の先生が岡崎にみえると、以前何かで読んだ記憶がありますが、この吉村医院の先生の事でした。
この石原邸's Cafeは、昔は当り前だった自然と共に生きていく事の大切さを、この古民家を通して知ってもらう為に運営されているカフェです。ふと立ち止まって、今の生活を見直してみようと思わせるカフェです。