8月中旬、お盆営業のお店を調べていたら、掛川市の stationery cafe konohi が営業している事が分かりました。その時 blogで紹介されていた「夕方喫茶」が、とても気になりました。 6月に開業したばかりと書かれていて、よくこんなお店を見つけたなと驚いた覚えが在ります。 その当時は伺いたいお店の予定がびっしりと詰まっていたので、訪問予定リストに書き込み、訪問の機会を狙っていました。9月も中旬になり、やっと余裕が出来たので訪ねて来ました。
国道1号線、名鉄本宿駅の先に在る本宿町沢渡の交差点を新東名高速道路に繋がる連絡橋方面に曲がります。岡崎東ICに入る交差点からくらがり渓谷方面に進む事約20分、山道の途中、ひっそりと佇む山小屋の様な建物が杉林の向こうに見えました。道路から1段下がった川沿いの場所にお店は在りました。「夕方喫茶」その名の通り、午後から日没までの営業スタイルです。
薄明りの中、敷石のアプローチを踏みながら店内に1歩足を踏み入れると、そこだけ時間が止まった様ななんとも云えぬ独特な空間が在りました。 丁度、先客と入れ違いの訪問だったので、お1人様の完全貸し切り状態です。 真ん中のテーブル席に座り目を外にやると、そぼ降る雨に深い緑色をした森の景色が広がっていました。差し出された紙のメニューから深煎りの「十六夜ブレンド」とピスタチオの貝殻最中をお願いしました。 1度焼いてパリッとさせた皮に毎日炊いている小豆を詰めた最中は、ピリッとした黒胡椒の余韻が餡の甘さの中にほんのりと感じられました。深煎りの珈琲との相性も良く美味しかったです。 因みに珈琲豆は、西尾市のフレーバーコーヒーのモノを使っているそうです。 結局この日は閉店時間の午後6時まで、川のせせらぎや鳥の声を聴きながら色々とお話を交わしました。
お茶会の時に使われる「夕闇の間」
お伺いした話では8年くらい前に蒲郡市のラスティックハウスに勤めていたそうです。その後4年程働いて辞められたとの事、今でもオーナーには凄くお世話になったと感謝されていました。 そして5年前、偶然見つけたこの土地を購入して山小屋風の小屋を建てたそうです。
直ぐにでも開店する事は出来た筈なんですが、色々と準備に手間取って今年の6月まで延びてしまいました。
でも、そのお陰と云っては何ですが、時間の経過がいい感じに真新しさを拭い去り、今ではこれで良かったと思っていると笑いながら教えてくれました。
漆黒の暗闇が迫る中、店主の小倉さんが「今日はいい日だった、お客さんにのんびりとした時間を楽しんで貰えて良かった」とポツリと云いました。夏休みの時期はお客さんが大勢見えて、ワイワイガヤガヤの日もあり、とてものんびりとした時間を過ごして貰えたといえず落ち込んだ日もありました。だから今日は良かったです。こんなペースで、行けれればいいんですけどね〜の言葉を背中で聞きながらお店を後にしました。 愉しみなお店がまた一軒増えました。
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