今年の春先に買ったサライの5月3日号。大特集が「天照らす豊穣の聖地・伊勢に参ろう」だったので、つい手が出てしまいました。20年に一度行われる「式年遷宮」の準備が着々と始まり出したので、事前に勉強の意味もあって買いました。
本を中ほどまで読んでいくと、サライ美術館のコーナーで「大正浪漫に煌く女たち」という見出しのモダンな女性の絵が目に止まりました。ページを読み進んでいくと、大正の時代を反映した美人画を里帰りさせた「モダン日本の里帰り 大正シック −ホノルル美術館所蔵品よりー」展が開催されるとの事でした。4月14日〜7月1日の東京都庭園美術館での展示を皮切りに尼崎市総合文化センターを経て、9月8日から静岡県立美術館での開催。
静岡県立美術館なら行けると心待ちにしていた開催初日は、生憎、近年最大級の勢力をもった台風9号が静岡地方を襲ったばかりでした。行こうかどうしようか迷いましたが、やはり大正モダンガールの魅力を振り切る事はできず、一日ずらして9日に行ってきました。
「大正シック展」では米国ハワイのホノルル美術館に所蔵されている日本美術コレクションの中から選び抜かれた約80点が見られます。中心をなすのは、アートディーラーで日本美術の収集家でもあったパトリシア・サーモンというアメリカ人女性が寄贈した作品です。アメリカ人女性の眼を通して選び抜かれた日本女性の姿は私たち日本人が持つアイデンティティーとは何なのかと問われている様な気がしました。



ロダン館

そして、江戸時代を引きずった明治時代を脱却した「モガ」と呼ばれる明るい日本女性の生き生きとした姿を見るにつれ、大正という時代が短いながらも進歩的で幸せな時であった事がひしひしと伝わってきました。
「大正シック展」は10月14日まで静岡県立美術館で開催された後は、10月20日〜12月16日の広島県・尾道市立美術館が最後となります。
 
静岡県立美術館と言えば、忘れてならないのはこちらの「ロダン館」 船形の大きな天井からは明るい光が差し込み、美術館と言うよりコンサートホールの様です。
こちらにあるのは殆どが大きな作品ですが、この空間に映え、一つ一つの作品がより鮮明に大きく見えます。中でも圧巻なのは「地獄の門」高さが6m以上もあります。彫刻はよく分りませんが、この迫力にはただただ驚くばかりでした。ここはフラッシュ・シャッター音をオフにすれば撮影もOKです。


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