豊橋からでも富士山がちらっと見える場所はありますが、当たり前ですが近くで見る富士山の迫力は凄い。この日は雲に何度も隠れながらもその雄姿を見せてくれました。静岡側から見る富士山は、山梨側と違い、駿河湾からの水分を多く含んだ風が山の斜面にぶつかる為に雲が発生しやすくなるのだそうです。
私は約30年程前に家族で富士山に登った事がありますが、今の様に酸素ボンベなどなかったので、頂上まで登る事ができませんでした。九合目あたりになると、一歩足を踏み出すだけで息が苦しく、酸素がいかに人間にとって大切なものか知りました。
 
今回、美味しいと評判の沼津のお蕎麦屋に行く予定で高速に乗ったのですが、通勤割引を使う為に早く出発したので、そのまま沼津に直行すると開店時間よりかなり前に着いてしまいそう。そこで、久し振りに白糸の滝でも見に行こうかということになりました。

富士インターを降りると、西富士道路という有料道路があったのですが、時間もあるという事で敢えて下道を選びました。下道はその土地土地の個性を垣間見る事ができ、楽しい発見があるので、よほど急ぐ旅でもない限りよく走ります。そして、やはりありました。国道469号で白糸の滝を目指し北上している途中に「山草舎 蕎麦 どあひ」の小さな看板。
大丈夫かと少し不安になりながらも、案内に沿って細いクネクネした道を800M程下って行くと、その先には何やら手作り感タップリの建物。基礎以外は店主が自分で建てたと言う、小屋と言った方が合っているような「山草舎 蕎麦 どあひ」。お店で出す天ぷらの材料は殆ど自家栽培。蕎麦粉は今のところお店に頼んで挽いてもらっているそうですが、石臼が注文してあるので、いずれは自家製粉になるとの事。とにかく健康の為にだけお店をされているそうで、高齢ながら人生を思い切り楽しんでおられる様子が伺えました。開店まで1時間あったので、白糸の滝に行ってからまたお店に寄らせてもらいましたが、暖かい家庭の味といった田舎風のお蕎麦で、割合は小麦粉が12%だそうです。
結局ここに寄ってしまった為に目的のお蕎麦屋へは行けなくなってしまいましたが、こういう面白い出会いがあるからこそ、トットコ、トットコ、のんびりドライブはやめられないのです。

文 縦好き 2007.03.03現在


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