長野県飯田市に桜を観に行ってきました。
雑誌の紹介記事の中からいくつかの桜を選んで観る予定でしたが、出発時間が遅かったので、「長姫の江戸彼岸桜」と「麻積の里 舞台桜」を観て来ました。どちらも立派な大木で、ふらっと出かけた割りにはほぼ満開でグッドタイミングでした。
南信州には樹齢何百年という名桜が何本もありますが、飯田市を車で走るとあちこちに桜の大木が花を付けているのが見えました。たぶん全てが○○桜というわけではなく、植えてあるのは何気ない会社の敷地であったり、小さなお寺の境内であったり・・・。
この地区の方々がいかに桜を愛しているか分かりました。
桜見物の前の腹ごしらえはもちろんお蕎麦。この「のんび荘」のお蕎麦結構いけました。




のんび荘

民宿 のんび荘は食事だけでもOK。自家製粉の手打ちそばが食べられると知って行って来ました。お蕎麦は二八で細く、ノド越しの良い麺でした。玉子焼きの値段は使う卵の数で違ってきます。ドライブの途中にでも寄ると印象に残る面白いお蕎麦屋でした。
場所は地図を見てもちょっと分かり難いですが、妙琴公園のある松川沿いです。建物は何ともレトロ感たっぷり。この写真はお食事処のんび茶屋ですが、宿泊施設の方は昭和初期の建物で何とも言えずいい味でした。こういう所が好きな方、多いのでは?

手打ちそば 料理民宿 のんび荘  のんび荘のホームページ
長野県飯田市大休7462  0265-22-0755




長姫の江戸彼岸桜 (おさひめのえどひがんざくら)

飯田市美術博物館の敷地内にある長姫の江戸彼岸桜。
元々、この辺りは江戸時代に飯田藩の家老、安富氏のお屋敷が建っていた場所なので、地元では「安富桜」の名前で親しまれているそうです。
この飯田市美術博物館の敷地内には付属施設として、ふるさと飯田を愛してやまなかった詩人、日夏耿之介(ひなつこうのすけ)が余生を送った邸宅を復元した「日夏耿之介記念館」があったり、日本民俗学の創始者・柳田國男が当時の東京府北多摩郡砧村(現在の世田谷区成城)に建てた「喜談書屋」を移築し開放していたりと、なかなか充実しています。これらの施設は無料で見学することができます。
飯田市には、この桜以外にも「阿弥陀寺」「黄梅院」「愛宕神社」などにも天然記念物に指定されるほど見事な一本桜があり、市街地に真っ直ぐ延びる大宮通りの桜並木と合わせて、私は密かに南信の桜王国だと思っています。
 
長姫の江戸彼岸桜だけのページはこちら。







麻積の里 舞台桜 (おみのさと ぶたいざくら)

旧座光寺小学校舞台校舎脇に植えられている半八重枝垂れ紅彼岸桜。
丁度、江戸文政年間から200余年にわたって受け継がれてきた春祭りが行なわれていて、神社につながる坂道を獅子や獅子曳き、囃子屋台などの一行がにぎやかに練り歩いていました。
桜とお祭の写真を撮り終えて奥に行くと「竹田扇之助記念国際糸操り人形館」という綺麗な建物が。何だろうと思って見ていると、相方が「良かったら見て行って下さい。」と声を掛けられ、優待券をもらっている様子。時間は遅いし困ったなと思っていると、優待券の写真を見た相方が「雪ん子だ。懐かしい〜。」と声をあげました。何でも小学校の頃に見た人形劇だとかで、結局観て行く事にしました。
ロビーでは館長の竹田扇之助氏自らが出迎えてくれ、相方が「雪ん子、昔見ました。」と言うと、「そうです。操り人形を日本中に広めたのはこの雪ん子です。」との事でした。この「竹田扇之助記念国際糸操り人形館」は1998年に世界人形劇フェスティバルにあわせて建てられたもので、伊那谷は元々人形芝居の盛んな土地だったようです。
館内で見せてくれる、たった7分の「雪ん子」の名場面に涙を浮かべて感動する相方でしたが、三つ子の魂100までとはよく言ったもので、子供の頃の感動と言うのが、人間にとってどれだけ大切なものかと感じました。そんな事で相方の感動は桜ではなく、「雪ん子」で終ってしまったようですが、こんな出会いもまた楽しいものだと思った一日でした。
 
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