家に残る数々のお宝も見せていただきました。
家を改修した時に、天窓はサッシに替えられたそうですが、店先に以前使っていた古い瓦製の物が展示されてました。 2種類のサイズの物がありましたが、両方とも一枚の大きな瓦にガラスが嵌めてあり、こんなに大きな物が屋根に乗っていたのかと思うとちょっと恐いくらいで驚きました。大きい方の瓦は一辺が1m位あり、奥さんがひきずって出して見せて下さいましたが、相当の重量がある様でした。 瓦は焼いている間に収縮するので、出来上がりのサイズを想定して作ります。 最近ではこの様な大きな瓦を使うのは、神社仏閣くらいのものでしょうが、今の技術でも大きな瓦を焼くのは大変です。 お客様がみえた時に、お茶をお出しするのは足助漆のお茶碗です。 足助漆は良質で、お値段も大変高価だそうです。 このお茶碗は芯材が麻布だけで出来ていて、何度も何度も漆を塗り重ねてあり、製作するのに一年以上の歳月を費やすのだそうです。 大変な手間が掛かっているだけのことはあって、手に取ってみると軽いのですが、それでいて存在感を醸し出しており、美味しいお茶がより美味しくなるのではないかと思われました。 古くから生き続けてきた本歌の物達は、すべてが美しく、重厚な光を放っています。 奥さんが、こういう家は暮らしにくいと仰っていましたが、大切に守り、この物たちと共に暮しておられる方たちこそ、本物なのではないでしょうか。
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