地図を片手に捜しても、見過ごしてしまいそうな店。一見、大衆食堂のような雰囲気で、蕎麦屋に見えない。
　
よほど相性が悪いのか、3度めでやっと食べることができた蕎麦だ。農業も営まれているようで、一度目の訪問時は、稲刈りの為休みと張り紙があってショックを受け、2度めは夜も営業しているものだと思って行くと、今度は夜の営業はやめたとの事。この6月3日は大げさに言うと、ちょっと人生かけて出かけたという感じだった。
　
石臼の回転数の話はあまりにも有名だが、それがどんな蕎麦なのか、ずっと憧れていた。
　
食べてみるとやはり何かが違う。美味しいのは当たり前だが、言葉で表現するのは難しい。敢えて言うならば、臼を挽くご主人の手の温もりが、そのまま蕎麦にあらわれているように感じられた。
　
ここの蕎麦を愛する人たちは、ここのご主人を愛している人たちだろう。