奈良の造り酒屋「春鹿」の蔵元の敷地内にある木造平屋の離れにお店はある。土・日・月の変則的な休みの為、ここだけに行くつもりでないとなかなか訪ねる事が出来ない。 前回98年の夏に伺った時は、初めて訪れた私も緊張していたのだろうか、真夏の陽射しがすだれ越しに差し込む中、店内にも緊張感が感じられたが、今日は初夏を思わせる陽気の中、凛とした空気と程よい静寂がここち良く感じられた。 せいろ、田舎の二種類を食したが、さすがに関西の手打ち蕎麦のトップを走り続けているだけの事はある。 今回、特に感じた事は、漬け汁の洗練された味。鰹の風味や旨味を存分に引き出しながら、尚且つ何とも言えぬ芳醇さが口の中にひろがる。島崎さんのこの7年間の変革と進化を感じさせる絶品の漬け汁である。 アタの器に蕎麦を盛るという発想・センスに驚かされつつ、あのユーミンこと松任谷由美をして、文芸春秋での対談の席において人生最後の晩餐には「玄」の蕎麦をと言わしめた事を再確認させられた。 私の中では「藪蕎麦・宮本」「ふじおか」「仲佐」に並ぶ最高峰の蕎麦。 田舎そば 1050円 せいろそば 1050円 蕎麦団子 420円
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