この日は富士山の新五合目から少しだけ山道を歩いて小腹が空いたので、久し振りに蕎仙坊へ寄ろうと思い立ち、電話で確認をしてみると夕方に十数人の予約が入っていて蕎麦がなくなるかもしれないとの事だったので私も予約を入れて店に向かった。
およそ７年１０ヶ月振りに訪れた「蕎麦つくし 蕎仙坊」
富士山麓の裾野と云う抜群の立地と、周りの風景に同化し馴染んだ古民家は、以前と変わらぬ佇まいで私を待っていてくれた。

着いたのは午後の３時過ぎだが、店内にはまだ大勢のお客がおり、蕎麦を楽しんでいた。
一番奥の窓際の席で紅葉や山野草などが植えられた庭を楽しみながら予約した蕎麦を待つ。
私がお願いしたのはこの店を代表すると云っても過言ではない、一番粉で太く打ちあげた「田舎」と甘皮を極力少なくした二番粉で細く打つ「せいろ」を半々に盛った二色そば。
太さ５〜６�oはあろうかと思われる「田舎」の麺は、噛みしめるほどに口の中に甘みと香りが広がり、逆にせいろはほど良い腰の強さとツルツルとしたノド越しが楽しめる。
今回も美味しい蕎麦だった。

おせいろ ８４０円　田舎 ８４０円　二色そば ８４０円　天ぷらつき田舎　１５７５円　そばがき １４７０円　

富士山の麓に広がる雑木林の中に移築された築400年の古民家で味わう秀逸の手打蕎麦。
　
二八のせいろ蕎麦と二八と十割の田舎蕎麦が半々に盛ってある二色蕎麦、それと蕎麦豆腐を注文する。
鰹風味のつけ汁は、細切りの二八にも太切りの田舎にもどちらにもマッチして美味しかった。
　
待合場所の囲炉裏や和箪笥、手作りの照明器具などのインテリアも私好み。
それに何と言っても、接客を担当される女性の手際の良さに感心した。
　
ロケーション、味、価格、接客、インテリアと全てにおいて高いレベルで保たれており、心の中でまた来るぞと思わずつぶやいた一軒。