昨年秋に入手した、静岡県の蕎麦屋を紹介する「蕎麦本」で気になったお店、蕎麦切り・こばやし。
開業６年と言う事だが、３年前に富士市方面の蕎麦屋を訪ねる為にネット検索をした時には発見できなかった。
富士山への入口、富士市の住宅街の中にひっそりと構えられたお店は、暖簾が掛かっていなければ蕎麦屋とは思えない洒落た外観で、店内は厨房を取り囲むように作られたカウンター席と、奥には畳の間がある。

私が食したのは、風味（粗挽き細打ち）と期間限定(新蕎麦より３月迄)の吟醸・白（十割蕎麦）の２種類。相方はかけそばと蕎麦がきしるこ。先に頂いた細打ちの風味は、細いと云っても香味（粗挽き太打ち）との対比で、他店に比べれば中太くらいで粗く挽いた粉が麺の断面からも確認出来る香り高い蕎麦。次に吟醸・白を食したが、十割蕎麦に有りがちないがらっぽさも無く、ツルっとしたノド越しだった。久し振りに腰の強い蕎麦を堪能した。
かけそばは麺の美味しさに椎茸の出汁が効いていて、蕎麦がきしるこはよもぎ白玉とそばがきと栗まで入って４５０円とお得感たっぷり。
普段は会津産の玄そばを使用しているが、昨年は台風の為に不作だった為に今年は福井県産の玄そばを１年分確保して凌いでいるそうだ。
奥さんがお客さんをよく見ていて、蕎麦を茹でるタイミングやそば湯を準備する頃あいを御主人に伝えている姿は、お客様に美味しく召し上がって頂こうとする姿勢の表れで好感が持てる。蕎麦を２枚頼んで１００円引きだったのも嬉しいサービス。

せいろ ７５０円　鴨せいろ １２００円　香味(粗挽き太打ち) ９００円　吟醸・黒(挽きぐるみ) ８００円　
大盛り ３５０円増