東京の旅行会社に勤めていた草野さんが、雑誌に出ていた蕎麦職人の記事に触発され一念発起、35歳から4年半、戸隠の「うずら屋」で修業後、2001年4月に開店。 建物は一見すると、都会の洒落たカフェかと思わせる。暖簾をくぐって一歩店内に足を踏み入れると、大きく取った窓から見える風景は、心に安らぎを運んでくる。天気の良い日には北アルプスの姿が一望出来て最高だろう。建物内部にはシナベニアを旨く取り入れ、BOSEのスピーカーから流れるジャズの音色も耳に心地よい。地元の作家に焼いて貰った器なども含め、店主のセンスの良さが余すところなく表現されている。 長野県安曇野地区の玄そばをメインに自家製粉し、二八の麺に打ち上げている。私がいただいたのは「草の子セット・そば(ざる叉はかけ)、小玉そばがき、季節の小鉢、天ぷら盛り合わせ、そば菓子(そばゼリー)」の5品と別注文の蕎麦屋のダシ巻き卵で、相方はかけそば。麺は少し柔らかめで、漬け汁は、せいろ・かけ共に濃い目で万人向け。私的にはもう少し辛くても良かったかな。しかし、そばがきは小玉とはいえ量もあるし、大葉の天ぷらは葉を2枚重ね合わせ、軸を海苔で捲いて離れない様に工夫するなど細かい所にも気が使われていた。そばゼリーも黒蜜ときな粉がいい味を引き出すなど、ここが新潟との県境にある田舎の蕎麦屋とは思えない程。旅先なのでちょっと点数が甘いかなとも思うけど、こんな蕎麦屋を見つけると、つい嬉しくなる。
草の子セット2100円 ざるそば・かけそば 780円 ぶっかけそば 1100円 蕎麦屋のダシ巻き卵 600円、食後のコーヒーは200円
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