京都市左京区「哲学の道」・「銀閣寺」などの観光スポットには大勢の観光客が集まり、学びの舎・京大には若人が集う。 そんな喧騒がまるで嘘の様に静まり返った場所「吉田山」は京都の中心地を一望できる標高100m程の小さな山。南側の山裾にはもみじで有名な真如堂があるが、それ程の賑わいはない。 神楽岡通りから風情のある古い家並みの中を通る階段を登り切ると最初にコンクリートの壁が立ちはだかる。そこは「茂庵」の文字を取り囲むように蔦に覆われていて、ここから山頂までゆっくりとした足並みで進んでいくと木造の建物が見えてくる。
鬱蒼と茂った木立の中に建つ「茂庵」は、元々が茶寮だった所に手を入れたそうだが、まるでお寺の境内にでもいる様。訪れた時は生憎の曇天だったが、天気がよければ京都盆地が全て見渡せそうだ。
アプローチには白色のカパーの掛けられた椅子がまるでオブジェの様に置かれている。席数が少ない中、ゆっくりと時間を過す人が多いのか、待合の為に置かれているようだ。