天下一と謳われる桜の名所「高遠城跡公園」から諏訪地方へ向かう杖突街道を走るのは2008年以来、久し振りの事です。 杖突峠を下りきり、突き当りのTの字の交差点を左折、諏訪大社上社前宮を通り過ぎ、諏訪大社上社本宮に向かう途中に、目的の『茅野市神長官守矢史料館』(ちのしじんちょうかんもりやしりょうかん)は在ります。 史料館は鎌倉時代より守矢家で伝えてきた守矢文書や武田信玄、真田昌幸などの古文書を保管・公開しており、守矢家の敷地に建てられています。守矢家は古代から諏訪大社上社五官の1つで、筆頭にあたる「神長官(じんちょうかん)」を明治時代まで勤めてきた家柄で、上社の神事全般を掌握していました。史料館は、地元の建築家、藤森照信氏のデビュー作として有名です。 正面入口の庇に4本のイチイの樹が突き出ている外観は、とてもユニークな建物と云えるでしょう。(御柱を表現しているとの説も)鉄筋コンクリートの構造の上に、壁体部分においては内外とも特別調合の壁土を塗り、床面は同様の三和土とし、更に一部壁土の上にはさわら材手割り板をかぶせています。また、屋根に置かれている石は地元の鉄平石、構想屋根は宮城県雄勝産の天然スレート(東京駅に使われているのと同じ)、軒はフランス産のモノをのせています。
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